「大木の桜の木が倒れているんだよ〜。これ何とかならんかのぅ」と
近所のおばちゃんから相談を受け、林業をしている松平さんと伊藤さんに大木をチェンソーで分割してもらったことがきっかけでした。


元を辿れば、昔鷹巣や鮎川でも林業をされていた方が漁業を営んでいる方と同じくらいおられたとか。
今では山の管理をする人も少なく、鷹巣も倒木や朽ちた木を見かけます。山が荒れると海にも影響があるので、近くの海水浴場にもきっと影響があるでしょう。薪ストーブに憧れ、薪を集めたり、薪を焚べりながら、人生の山と谷を語り合っているうちに薪はなくてはならない存在となってきました。


そんな薪も長い年月を隔てて育ってきた山々の木たち。料理に燃料に燻製、廃材の行き場が薪となり場所を取らずに有効活用できるこのライフサイクルがなんとも素晴らしく感じます。30年前までは薪を集め重労働の仕事でした。そんな重労働の仕事を改めて私たちが始めたきっかけは。
火の揺らぎや何度も暖まる空間、料理や会話が弾むこと、リラックスでき、そしてこの奥深い火の科学現象に虜にされていること、この地域ならではの生活の真ん中にあると言っても過言ではありません。
実際私が想定外だったことが3つあります。
・薪ストーブを入れることに不安だった母は私たちに代わって薪ストーブのセールストークをし始めました。
・私たち夫婦の間でも会話が増えた!?
・お酒がなくても、本音で話せる自然の空間
それはそれは想定外でした。
焚き火はなんとなくいいなぁと思っていただけでしたが、癒しの揺らぎを見ながら、今日、この空間に身を置くことにホッとしています。
そして不思議と本音で語りたくなる癒しの火の不思議さ。
ただ、この安心を私たちだけでなく、たくさんの方に薪を通して、温もりのある暮らしと、ざわつく社会に安らげる場所、豊かさを知ってもらえたらと思います。